化粧品OEMとは?OEMのメリットから注意点、おすすめ化粧品OEMメーカーまで解説

化粧品OEM市場は年々拡大しており、矢野経済研究所の調査では2022年度の段階ですでに3,316億円(前年比107.2%)に達しています。

本記事では化粧品OEMの概要からメリット・デメリット、製造の流れ、メーカー選びのポイント、注意点までを詳しく解説していきます。

化粧品のOEMメーカーを探している人にとって参考になる記事となっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

化粧品OEMとは?

化粧品OEMとは、化粧品の製造工程を専門のOEMメーカーに委託する方法のことで、自社に工場がなくても自社ブランドの化粧品を開発・販売できます。

化粧品OEMに関して、以下を説明していきます。

  • 製造業許可とOEMの関係
  • 化粧品OEM・ODM・PBの違い

製造業許可とOEMの関係

化粧品製造には「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売業許可」が必要ですが、OEMメーカーはこれらの許可を取得しており、委託することで自社取得の必要がありません。

そのため、自社で製造設備を持たずとも、OEMメーカーに製造を委託することで法的な製造要件をクリアした製品を、自社ブランドとして市場に提供することが可能になります。

さらに、製造販売業許可を持たない場合でも、OEMメーカーが製造販売元として製品を届け出る体制を構築してくれるケースもあり、法規制面の手続き負担を軽減できる点も大きな利点です。

化粧品OEM・ODM・PBの違い

「ODM(Original Design Manufacturing)」は企画開発から製造まで一貫して請け負う方式を指し、「OEM(Original Equipment Manufacturing)」は製造部分のみを請け負う形式です。

一般的に、製造部分のみを請け負う形式のOEMの方が範囲が限定的ですが、近年は設計段階から関与するOEMメーカーも増え、両者の境界は曖昧になりつつあります。

また、PB(プライベートブランド)は、小売店などが自社ブランドとして販売する商品を指す言葉で、PBを実現する方法の一つがOEMです。

化粧品OEMのメリット

化粧品OEMには、主に以下のメリットがあります

  • 初期投資を抑えられる
  • OEMメーカーの持つ専門的なノウハウが活用できる
  • 商品開発が早い
  • 在庫リスクを抑えやすい
  • 生産から納品までワンストップ対応可能

上記についてそれぞれ解説していきます。

初期投資を抑えられる

自社で工場を構える場合、製造ラインの設置や設備導入に莫大な資金が必要となります。

化粧品OEMを利用すれば自社で生産設備を整える必要がなく、初期投資を大幅に削減できるかもしれません。

また、必要な分だけを生産できるため、過剰な在庫を抱えるリスクも減ります

実際、OEMを利用することで少ない資金でも化粧品事業に新規参入しやすく、特にスタートアップや中小企業にとって大きなメリットとなりやすいです。

なお、小ロット生産に対応したOEMであれば、少ない数量から製造可能なので、新商品の試験販売にも適しています。

OEMメーカーの持つ専門的なノウハウが活用できる

化粧品の開発や製造には、成分の配合バランスや安全性評価など専門知識が求められますが、OEMメーカーには豊富な知識と経験を持つ研究スタッフが在籍しており、その専門的なノウハウを自社商品に活かすことができます

自社に専門の研究者や化学者を雇用しなくても、高品質な製品開発が可能になるのは大きな利点です。

商品開発が早い

OEMメーカーはすでに整った製造工程と多数の開発手段を持っているため、ゼロから自社開発するより、格段に速いスピードで商品化できます

市場のトレンドを逃さず、タイムリーに商品を投入できるのはビジネス上の強みです。

シーズンごとの流行成分を使った商品を素早く企画・生産できれば、競合他社より先に市場投入することも可能になります。

一般的に、化粧品OEMでオリジナル商品を開発する場合、企画開始から製品完成までは約6か月ほどかかると言われています。

一方、自社で設備準備や開発の体制を整えるにはそれ以上の時間を要するため、OEMを活用することで、開発リードタイムを短縮できるメリットは大きいです。

さらに、OEMメーカー保有の開発手段をカスタマイズする形で開発すれば、一から開発する場合に比べて、時間もコストも大幅に削減できます。

在庫リスクを抑えやすい

製品が売れ残った場合の在庫リスクは、事業者にとっては大きな負担となります。

自社で製造する場合、設備稼働の効率から大量生産を行わざるを得ず、需要を見誤ると余剰在庫を抱えやすくなります。

これに対し、化粧品OEMメーカーの多くは小ロット生産に対応しているため、必要な数量を必要なタイミングで発注できるので安心です。

小ロットから始められれば在庫過多に悩まされる心配はなく、まずは少量生産で市場の反応を確かめてから追加発注するといった、テストマーケティングも可能でしょう。

結果として、倉庫保管費用や廃棄ロスの軽減につながり、資金繰りの面でも安全性が高まります。

生産から納品までワンストップ対応可能

化粧品OEMメーカーは、製品の中身の製造から容器への充填、包装、そして納品に至るまで一括対応できるところが多いです。

OEMを利用すれば、容器メーカーやデザイン会社、製品製造工場など複数の取引先を自社で手配する必要がありません

容器選定からラベル印刷、最終梱包に至るまですべてOEM側で行ってもらえるため、自社はその管理工数を削減できます。

つまり、企画した製品を「作るところから届けるところまで」任せられるため、新規参入企業や小規模ブランドでもスムーズに商品展開が可能になります。

化粧品OEMのデメリット

化粧品OEMには多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも挙げられます。

  • 最低ロット数の縛りがある
  • OEMメーカーの技術力に依存する
  • 製造リードタイムが長くなることがある
  • 契約条件に縛られる

上記についてそれぞれ解説していきます。

最低ロット数の縛りがある

多くのOEMメーカーでは、1回の生産について最低ロット数(最小発注数量)が定められているため、例えば「試しに100個だけ作りたい」といった要望に応えられない場合があります。

特に、大手のOEMメーカーほど一度に大量生産する体制が整っているため、最低ロット数も多い傾向にあるでしょう。

最低ロット数が数千個規模に設定されている場合、小規模ブランドにとっては初期投資負担が大きくなりがちで、売れ残った際の在庫リスクも増大し、販売計画が外れた場合の損失も大きくなります。

近年では、小ロット専業を謳うOEM会社も存在し、100個単位から製造可能なケースもあります。

ただし、小ロット対応の場合は一つひとつの単価が割高になる傾向があり、利益が圧迫される点には注意が必要です。

OEMメーカーの技術力に依存する

化粧品OEMでは製造工程の大部分を委託するため、自社は製品の品質や仕上がりをOEMメーカーの技術力に依存することになります。

極端に言えば、OEMメーカーの力量以上のクオリティの製品を作ることは難しく、自社で直接コントロールできないもどかしさがあります。

製造過程でトラブルが発生した場合でも、自社で即座に対処することができず、OEMメーカーの報告や対応を待たなければなりません。

対応が遅れれば納期にも影響し、場合によっては販売計画に支障をきたす恐れもあります。

製造リードタイムが長くなることがある

OEMによる製造は、自社単独で作る場合と比べてリードタイムが長くなる場合があります。

企画から市場投入までの期間は、一般的な目安で6か月~1年程度かかるとも言われています。

もちろん、商品内容や進め方によって短縮はできますが、少なくとも数週間や1~2か月で済むものではありません。

多くのOEM案件では試作や容器調達、各種テスト等に時間を要するため、打ち合わせ開始から量産品の納品までは約6か月前後は見込んでおくべきでしょう。

繁忙期にはOEM側の生産ラインが埋まってしまい、希望通りの納期で対応できないケースもあるため、発売時期が決まっている商品については、余裕を持ってOEMメーカーと日程調整することが重要です。

契約条件に縛られる

OEMによる製造では、事前に締結する契約の内容に沿って進める必要があり、その契約条件がビジネス上の制約となる場合があるかもしれません。

例えば、OEMメーカーが開発した方法の知的財産権がOEM側に帰属する契約では、別の工場に製造を切り替えたいと思っても同じ開発手段は使えない、といったことなどが起こりえます。

また、契約で最低発注数量や取引期間が定められていれば、計画を変更したくても、契約に従わざるを得ません。

さらに、原材料価格の高騰などに伴って、OEM側から納入価格の引き上げを打診されるケースもあり得ます

契約時点で価格や納期について合意していても、契約書に価格改定条項が含まれていれば、状況によってはコスト増を受け入れなければならない可能性があります。

このように、契約で決めた条件から外れた対応を求めるのは難しく、自由度が自社単独の場合より低くなることがデメリットです。

化粧品OEM製造の流れ

化粧品OEM製造の流れは以下のようになっています。

  1. ブランドコンセプト作成
  2. OEMメーカーへの依頼・打ち合わせ
  3. 試作・フィードバック・修正
  4. 本生産と品質チェック
  5. 販売準備とローンチ

上記流れについて、それぞれ解説していきます。

1.ブランドコンセプト作成

まずはどのような化粧品を作るのか、ブランドコンセプトを明確に決めていきます。

ターゲットとする顧客層や商品のコンセプトを具体化していき、自社ブランドの方向性を定めます

他社との差別化ポイントを、この段階で明確にしておくことも重要です。

コンセプトメイクの際には、市場のニーズ調査や競合製品の分析も行い、商品の独自性や売りとなる強みを洗い出していきます。

ここで練り上げたブランドコンセプトが、のちのOEMメーカーとの打ち合わせで開発する商品の方向性をぶらさないための基盤となります。

2.OEMメーカーへの依頼・打ち合わせ

コンセプトが固まったら、それに適したOEMメーカーを選定し、具体的な依頼と打ち合わせに入ります。

まずは、候補となるOEM企業に連絡を取り、自社が作りたい商品コンセプトや希望する開発手段・仕様、予算感、希望ロット数などを伝えます

OEM側ではその情報を基に対応可能か検討し、初期的な提案や見積もりを提示してくれますが、お互いの情報共有のための機密保持契約(NDA)の締結も忘れてはいけません。

打ち合わせでは、商品の仕上がりイメージや配合したい成分、テクスチャー、香り、ターゲット価格などを詳細に話し合っていきます。

同時に、OEMメーカー側から技術面・コスト面でのアドバイスや代替案の提案を受けることも多いです。

この段階で、OEMメーカーの生産可能な製品ジャンルや最小ロット数が自社のニーズに合っているか再確認しておくことが重要です。

もしミスマッチがあれば、せっかく相談しても「当社ではその製品は対応できません」と断られる可能性があります。

3.試作・フィードバック・修正

合意した仕様にもとづき、OEMメーカーで試作品(サンプル)が開発されますが、通常、ファーストサンプルが上がってくるまでに数週間程度かかり、早ければ2~3週間ほどで初回のサンプルを受け取ることも可能です。

サンプルを実際に使用し、期待した使用感や香りになっているか、効果やテクスチャーに問題はないかを入念にチェックしていきます。

気になる点があればフィードバックをOEMメーカーに伝えて修正してもらい、試作、フィードバック、改良という工程を何回も繰り返し、理想の仕上がりに近づけていきましょう。

開発物が確定したら、量産に耐えうるかどうかの安定性テスト(長期保存試験など)が実施されます。

4.本生産と品質チェック

試作段階で開発物と容器の仕様が固まったら、いよいよ本生産に移ります。

まずOEMメーカー側で原料や資材の調達が行われますが、容器や包装資材は納品に時間がかかることも多いため、余裕を持った発注が必要です。

必要なものが揃った段階で工場の生産ラインにて大量生産が始まり、量産時にはOEMメーカーで厳格な品質チェックが実施され、配合比率や粘度、pHなどが試作時と同じかを検査し、微生物検査など安全性の確認も行います。

充填後も容器の封が確実か、内容量は規定通りか、ロット番号の印字ミスがないかなど細部まで検品されます。

こうした品質管理体制は、多くのOEMメーカーがGMP(適正製造規範)に準拠して整備しているので、信頼して任せられるポイントです。

すべての製品が基準を満たせば、OEMメーカーから自社指定の納入先へ製品が納品されます。

5.販売準備とローンチ

納品物を受け取ったら、次は販売開始に向けた準備です。

まず、製品に表示する成分表示や使用期限、製造販売元表示など、法定表示がすべて適切になされていることを確認します。

これらはOEMメーカーが印刷・貼付している場合がほとんどですが、自社ブランドの責任としてダブルチェックが必要です。

あわせて、販売に必要な許認可の確認も怠らないようにしましょう。

例えば、自社が化粧品製造販売業許可を持っている場合は各製品の届出が必要ですし、そうでない場合でもOEMメーカーとの契約で販売元をどちらにするかなど、法的な整理を済ませておきます。

さらにマーケティング面では、ウェブサイトやSNSでの告知、販促物の制作、必要なら先行モニター調査の実施など、ローンチに向けた施策を順次展開していきます。

また、出荷・販売体制も整備し、ECサイトで販売するなら在庫の登録や物流手配を確認しつつ、店舗販売なら各店舗への配送準備や陳列の打ち合わせの実施が必要です。

化粧品OEMメーカーの選び方

目的によって選び方も異なる化粧品OEMメーカーですが、主な選び方としては以下のポイントが挙げられます。

  • 対応している製品カテゴリーを確認する
  • 製造スピードと納期の安定性を確認する
  • 最小ロット数を確認する

上記ポイントについてそれぞれ解説していきます。

対応している製品カテゴリーを確認する

OEMメーカー選びの際には、そのメーカーがどのカテゴリーの製品を得意としているかを確認しましょう。

化粧品にはスキンケア、メイクアップ、ヘアケア、フレグランスなどさまざまなカテゴリーがありますが、OEMメーカーによって得意分野や保有設備が異なります。

例えば、スキンケアに強いメーカーもあれば、メイク用の充填設備を備えてリップやファンデーションを得意とするメーカーもあります。

自社のニーズに合ったカテゴリー対応力と、実績を持つOEMメーカーを選ぶことが重要です。

製造スピードと納期の安定性を確認する

ビジネスでは商品投入のタイミングが極めて重要なため、OEMメーカーの製造スピードと納期遵守能力もしっかり確認しましょう

まず、新商品開発に通常どの程度の期間を要するかをヒアリングしてみてください。試作にかかる時間や、発注から納品までのリードタイムなど、具体的なスケジュール感を聞くことで、自社の計画と合うか判断できます。

加えて、過去の取引で納期遅延がなかったか、安定供給の実績があるかを探ることも大切です。

直接聞きづらい場合は、そのOEMメーカーと取引のある企業の事例や口コミ、あるいは同業者の評判などから間接的に情報収集すると良いでしょう。

優良なOEMメーカーであれば、約束したスケジュール通りに製造・納品してくれるため、自社の販売計画も立てやすくなります。

製造スピードの面では、メーカーの得意ジャンルかどうかが影響します。

経験豊富な分野であればノウハウが蓄積されておりスムーズです。

逆に不得意な領域だと試行錯誤に時間がかかってしまうため、理想的な提案が出てこないことも考えられます。

そのため、自社の求めるスピード感にOEMメーカーの体制がマッチしているかを確認するようにしましょう。

最小ロット数を確認する

最小ロット数はOEMメーカーによって大きく異なり、問い合わせの早い段階で「〇〇の製品の場合、最小何個から発注可能か」を確認しましょう。

自社が計画する販売数量に対してOEM側の要求ロットが多すぎると、在庫リスクや予算面で無理が生じてしまいます。

化粧水や美容液などでは「最低100個から」という小ロットに対応するメーカーもありますが、メイクアップ製品では「最低でも数千個~」というように製品種別でロット数の目安が変わります。

これは製造設備の切り替えコストや原料ロスの関係で、小ロットが難しい製品もあるためです。

希望するロット数に柔軟に対応してくれるOEMなのか、大量生産が前提のOEMなのかを見極め、自社のビジネス規模に合ったパートナーを選びましょう。

おすすめ化粧品OEMメーカー10選

化粧品OEMメーカーはさまざまありますが、ここではおすすめ化粧品OEMメーカーとして以下10社を紹介していきます。

  1. 株式会社シースタイル
  2. 株式会社ロジック
  3. 株式会社山田製薬
  4. TOA株式会社
  5. 株式会社ホシケミカルズ
  6. フィディカ株式会社
  7. 株式会社小魅輝化粧品
  8. 株式会社フルリエール
  9. 株式会社LOTS
  10. 株式会社GLART

上記についてそれぞれ解説していきます。

1. 株式会社シースタイル

所在地 東京都港区北青山3-5-6 青朋ビル 9F
特徴・実績 1,320品以上の商品化実績。D2Cブランド支援多数
対応ロット目安 5,000個~応相談

株式会社シースタイルは、化粧品や医薬部外品のOEM・ODMを専門としており、自社では工場を持たず、製造を外部に委託している企業です。

同社は、自社工場を持たず200社以上の提携工場から最適な製造拠点を選定することで、顧客のニーズに柔軟に応える製品づくりを実現しています。

OEM支援実績は150社以上、累計製品化実績は1,320品超にのぼり、年間では310品以上の製品を市場に送り出しています

スキンケアやヘアケア、医薬部外品、香水、健康食品など多彩なカテゴリーに対応し、企画、デザイン、市場調査から製造、納品までを一貫してサポート可能です。

サンプル作成や仕様決定には約2~3か月、製造・納品にはさらに3~4か月を要し、製品化まではおおよそ半年が目安です。

ロットは一般に5,000個から対応しています。

株式会社シースタイルの公式サイトはこちら

2. 株式会社ロジック

所在地 京都府宇治市槙島町落合121-1
特徴・実績 創業38年以上、取引7000社以上
対応ロット目安 500個~対応

株式会社ロジックは京都府宇治市に本社・工場を構え、38年以上の実績を持つ化粧品OEMメーカーです。

フェイスケア、エステ化粧品、ヘアケア、ボディケア、その他香粧品など多岐にわたる製品の開発を行っており、小ロット500個からの対応が可能で、企画・開発から製造・薬事申請、販売支援までワンストップで提供しています。

京都ブランドを活かした商品開発に強みがあり、サロンや海外企業向けにも多数の実績があります

OEM開発ではヒアリングからサンプル作成、試験・検査、包材手配、デザイン支援、販促物制作、納品までの流れを一貫してサポート可能です。

スキンケア、ヘアケア、京コスメ、アロマ製品などの例も豊富で、無料サンプル作成も行っており、素材や使用感にこだわった製品づくりを特徴としています。

株式会社ロジックの公式サイトはこちら

3. 株式会社山田製薬

所在地 東京都渋谷区神宮前5-46-4 NICCA表参道ビル
特徴・実績 大手実績多数
対応ロット目安 要問い合わせ

株式会社山田製薬は、1910年(明治43年)創業の医薬品メーカーをルーツに持つ化粧品・医薬部外品ODM/OEMメーカーで、サロン品質の商品開発や高リピート率を強みとしています。

医薬品GMPレベルの品質管理体制を敷き、製品設計から製造・出荷まで一貫した対応が可能です。

オリジナル製品の開発、徹底した品質管理、商品開発後のアフターフォローまでを含めたフルサポート体制を提供しています。

小ロットや多品種少量生産にも対応しており、初めて化粧品事業に参入する異業種の企業にも、分かりやすくサポートしています。

受託製品はヘアシャンプー、スキャルプケア、化粧水、乳液、マッサージクリーム、外皮消毒剤など多岐にわたり、配合成分やコンセプトに応じた提案が可能です。

納品後は、保存サンプルを5年間保管する体制も整っています。

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4. TOA株式会社

所在地 大阪市中央区北浜三丁目5番29号日本生命淀屋橋ビル17階
特徴・実績 国内最大級OEM。大手ブランド多数
対応ロット目安 数千個規模~

TOA株式会社は、国内化粧品OEM/ODM業界の最大手として知られる企業で、化粧品分野におけるOEM・ODM・TOA一括対応サービスを提供する企業です。

研究開発、製造、品質保証までを自社で完結できる体制があり、約200名の研究員が独自処方の開発を行っています。

スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、ネイル、フレグランス、健康食品など幅広い商品に対応しており、分散型の生産工場を国内8拠点で展開しています。

コンセプト設計から製品化、納品・流通、リピート提案までの工程のサポートが可能です。

顧客の要望に基づくオリジナル製品開発や小ロット対応、原料の持ち込み、輸出対応も可能です。

ブランドの機密保持体制も整っており、新規事業参入や製造の外注を検討する企業からの相談に対応しています。

TOA株式会社の公式サイトはこちら

5. 株式会社ホシケミカルズ

所在地 東京都千代田区神田東松下町31-2
特徴・実績 製品1万件以上、国際認証多数
対応ロット目安 小ロット〜

ホシケミカルズ株式会社は、1975年創業の原料商社をルーツに持ち、現在は化粧品・医薬部外品・健康食品まで手掛ける提案型OEMメーカーで、国内外2,100社以上との取引実績があります。

原料商社、容器製造工場をグループ内に持ち、原料調達から処方開発、デザイン、製造、販売支援まで対応可能です。

小ロット対応やスピード感ある対応、ISO22716やRSPO認証の取得など品質と環境配慮にも力を入れており、提案型OEMとしてゼロからの企画立案にも強いです。

スキンケアとメイクアップの両方に対応可能な開発体制があり「美容液成分100%のクレンジング化粧水」など、特許取得済みの独自処方も提供しています。

環境GSの認定取得やサステナブル原料・パッケージの提案など、SDGsにも積極的に取り組んでいます。

ホシケミカルズ株式会社の公式サイトはこちら

6. フィディカ株式会社

所在地 東京都中央区銀座4-8-10
特徴・実績 百貨店・ドラッグストア実績、自社ブランドあり
対応ロット目安 1,000個~

フィディカ株式会社は、スキンケアやメイクアップ、医薬部外品を含む多様な化粧品のOEM製造を行う本舗メーカーです。

静岡県の掛川事業所や滋賀県の長浜事業所に加え、上海事業所を活用し、国内外での製造および輸出に対応しています。

独自の市場調査や海外薬事情報を活用し、提案型の企画・開発を実施しています。

最小ロットは1,000個から対応可能で、試作は原則無償です。

ヒアリングに力を入れており、販売会社の要望を丁寧に具現化する体制が整っています。

製造品目には洗顔料、化粧水、ファンデーション、リップ、アイメイク製品、ネイル関連、薬用化粧品などがあり、衛生面・品質管理も厳格な基準に基づいて実施されています。

フィディカ株式会社の公式サイトはこちら

7. 株式会社小魅輝

所在地 群馬県伊勢崎市赤堀今井町1-618-27
特徴・実績 無添加に特化、小規模ブランド支援
対応ロット目安 50個~

株式会社小魅輝は群馬県伊勢崎市に拠点を置き、防腐剤無添加にこだわった低刺激の基礎化粧品OEMを専門とするメーカーです。

無添加化粧品をエステサロン、美容室、ネット販売業者向けにOEM製造しており、最小ロットは50個から対応可能です。

試作は何度でも無料で実施され、初期段階での費用負担はありません。

製造単価は600円/50個程度からとなっており、処方や容量により製造費用は3万円程度から可能です。

製品は合成乳化剤・防腐剤・香料などを含まない無添加処方で、独自技術を活用したオンリーワン製品の提供を目指しています。

容器やラベル、化粧箱は基本的に自社製品と同一のものを使用し、顧客支給にも対応しています。

株式会社小魅輝の公式サイトはこちら

8. 株式会社フルリエール

所在地 埼玉県さいたま市
特徴・実績 無添加石鹸や自然派商品に強み
対応ロット目安 50個~

フルリエール株式会社は、埼玉県を拠点に自然由来の原料を使用した石けんやコスメのOEM製造を行っている企業です。

フェイス用・ボディ用石けん、美容オイル、バーム、バスソルト(岩塩・エプソムソルト)などを取り扱っており、職人が一つひとつ丁寧に製造する「コールドプロセス製法」により、50個からの極小ロット製造に対応しています。

主に天然素材を使用し、香りにもこだわった製品開発を行っている点が特徴です。

ヒアリングから試作、製造、納品まで対応しており、試作には約60日、製造には石けんで約60日、その他製品で約30日を要します。

ラベンダー精油入りのベーシックな70g石けんで600円程度の単価が目安とされており、要望に応じた配合での製造も可能です。

フルリエール株式会社の公式サイトはこちら

9. 株式会社LOTTZ

所在地 大阪府大阪市北区芝田2-8-11-3F
特徴・実績 インフルエンサー・D2C支援多数
対応ロット目安 100個~

株式会社LOTTZは大阪市北区に本社を置き、化粧品と健康食品を対象に最小100個からの小ロットOEM製造に対応する企業です。

化粧水・美容液・クリーム・オイルなどのスキンケアから、ヘアケア・メイク用品・ボディケアまで多品種に対応しており、機能性表示食品や錠剤・カプセル等の健康食品も取り扱っています。

製品は衛生・品質管理の整った実績豊富な工場で製造され、薬機法チェックやパッケージデザインも無料でサポートしています。

ヒアリングから提案、試作、届出、製造、納品までを行う体制で、初めてのOEM依頼にも対応可能です。

医薬部外品や特殊製品も相談可能で、商品仕様により最低ロット数は変動しますが、柔軟な対応が可能となっています。

試作は無料で、納品までは2〜4か月程度が目安とされています。

株式会社LOTTZの公式サイトはこちら

10. 株式会社GLART

所在地 神奈川県大和市下草柳1570番地
特徴・実績 加工・充填・サプリにも対応
対応ロット目安 小ロット対応

株式会社GLARTは神奈川県大和市に本社を置き、化粧品からサプリメント、機能性表示食品、医薬部外品まで幅広い商品のOEMを手掛ける企業です。

小ロットからの製造にも対応しており、化粧水・美容液・洗顔・シャンプー・エアゾール製品など多様な製品の製造が可能です。

パッケージデザインや資材手配のみの依頼も受け付けており、初心者や個人の相談にも丁寧に対応しています。

試作やバルク加工・包装業務も提供しており、在庫リスクの軽減や短納期も可能です。

また、豊富な提携工場を活用し、低コストでワンストップの製品化支援を行っています。

株式会社GLARTの公式サイトはこちら

化粧品OEMで失敗しないための注意点

化粧品OEMで失敗しないための注意点として以下に気をつけるようにしておきましょう。

  • OEM先と密なコミュニケーションをとる
  • 品質トラブルへの対応を準備しておく
  • 契約について詳細に確認しておく

上記注意点について、それぞれ確認していきましょう。

OEM先と密なコミュニケーションをとる

OEMによる製造では自社が工場の現場に常駐できない分、コミュニケーション不足がリスクにつながるため、普段からOEMメーカーとは密に情報交換を行い、開発状況や生産進捗を把握しておきましょう。

自社で生産状況を詳しく把握できていないと、万一消費者からクレームがあった際に即座に対応できず、製造スケジュールの遅れにも気づきにくくなります。そうした事態を防ぐためにも、日頃からOEMメーカーとの緊密なやり取りが必要です。

試作段階ではサンプルの受け渡しごとに具体的なフィードバックを伝え、相手の理解にズレがないようにします。

また、生産段階でも定期的な連絡は欠かさないようにしておき、週次の進捗報告や重要工程前後での確認連絡を入れるなど、状況を逐一確認していきます。

相手任せにせず、自社側でもプロジェクト管理表を用意し、予定通り進んでいるかチェックすることが重要です。

品質トラブルへの対応を準備しておく

化粧品ビジネスにおいて、万一の品質トラブルはブランドの信用問題に直結してしまいます。

OEM製造の場合でも、消費者から見れば販売元である自社へのクレームとなるので、トラブルが起きた際の対応策をあらかじめ考えておく必要があります。

たとえOEMメーカーから納品された製品の検品で問題がなくても、一定期間の品質保証期間や瑕疵担保責任について、契約で取り決めておくことが望ましいです。

契約時には、製品に欠陥があった場合の対応や責任分担を明確に定めておき「納品後〇ヶ月以内に判明した製造上の瑕疵についてはOEMメーカーが無償で再製造する」や「消費者への回収・返金対応費用は原因に応じて双方協議の上負担する」といった条項を盛り込むことが必要です。

「起こり得る」という前提で備えておくことが企業リスク管理の観点から重要といえます。

契約について詳細に確認しておく

開発段階で知り得た情報の漏洩を防ぐため、互いの機密情報を守る取り決めをします。自社のアイデアやレシピが外部に漏れないよう、OEMメーカーとも必ずNDAを締結しましょう

製品や特許、デザインなどの権利をどちらが保有するかを明確にしておきます。契約で定めがないとトラブルの火種になりますので「製品の権利は自社に帰属」「OEMメーカーは開発情報を他社に再利用しない」といった形で合意しておくことが望ましいです。

さらに、価格や支払い条件、納期と納品方法、契約期間と終了条件なども重要項目です。

価格については原材料費の高騰時にどうするか、追加発注時の単価はどう扱うかまで確認しておき、支払い条件も前金の有無など合意しておきます。

納期遅延時のペナルティは現実には難しいかもしれませんが、少なくとも納品予定日と遅延発生時の連絡義務は盛り込まれているか確認してみてください。

契約書の専門知識がない場合は、弁護士等の専門家に内容をチェックしてもらうのも有効です。

曖昧な表現や抜け漏れがないか第三者の目で点検し、不明点はOEM先に質問してクリアにしておきましょう。

まとめ:化粧品OEMのメリットを最大限に活かそう

この記事では化粧品OEMについての紹介、メリットやデメリット、注意点までを解説してきました。

化粧品OEMを活用すれば、自社で設備投資や専門人材の確保を行う必要がないため、コスト削減と時間短縮につながり、素早くビジネスを展開できます。

一方で、OEMならではの制約やリスクも存在するため、本記事で述べたデメリットや注意点もしっかり踏まえておくことが重要です。

ぜひ、化粧品OEMのメリットを最大限に活かし、ビジネスに役立ててみてください。